「そりゃ、もちろん! ……と言いたいとこだけどね、彼女のこと何でも知ってるなんてうぬぼれたことは言えないよ。小さいときからずっとそばで見てきたけど、彼女の本当の気持ちまではわからないし……」
話すうちにもミオのことを思い出し、朋也はだんだん悲しくなってきた。
「やっぱり愛想尽かされちゃったのかな。早く戻ってきてくれないかな……。おお~い、ミオ~~(T_T)」
半べそをかいてミオの名を呼ぶ朋也を見て、なぜかミャウはあわてたように慰めの声をかけた。
「ああ、もう! メソメソしニャイの! まぁ、気が向けばそのうち彼女の方から会いに来るんじゃないの?」
そうだといいんだけど……。出会ったばかりなのにみっともないところを見せてしまった。でも、ミャウって冷たいふりして実は意外と優しいんだな。そういうところもミオによく似てる──と朋也は思った。
「ところで、あんたたち、他にも誰か捜していたんじゃニャくって?」
ミャウのことを無視して会話に加わろうとしなかったジュディが飛びつくように言う。
「そうだよ! ミオのことなんてどうでもいいから、早くご主人サマを見つけなくちゃ!!」
ミャウはジュディをジロリとにらんだが、先を促す。
「ご主人サマって?」
「俺たちと一緒だった千里っていうニンゲンの女の子が、ヘンなイヌ族にさらわれちゃったんだ。ゲドって名前のビーグルなんだけど。君、何か知ってないか?」
続く彼女の質問は、誘拐事件とは直接関係のない内容だった。
「そのひと、あんたの彼女ニャの?」
*選択肢 全ッ然違う 彼女とまでは言えない まあそんなとこ