「もう降参だ……。瞼が重い。ホテルに帰って寝よ」 いったん決断すると、心がすっかり軽くなる。早くフカフカのベッドに潜りたい。朋也はエメラルド号を回れ右させると、一路シエナを目指した。 崖の上からこっそり彼の様子をうかがっていたミオは、遠ざかるテールランプを見ながら掃き捨てるように言った。 「この根性ニャシ!」