「いや、こっちこそ話についてけなくてごめんよ、フィル」
その手の話を聞くのは決して嫌いではないのだが、時間が時間でもあり、もともと考えるのが苦手なたちの朋也はだんだん頭が痛くなってきてしまった……。
フィルは両膝を抱え込むとしょんぼりしてつぶやいた。
「駄目ですね。相手の気持ちもくまずに自分勝手に話し続けているようでは……。メッセンジャー失格ですわ……」
「というより、フィルは勉強しすぎなんだと思うよ? さあ、明日に備えて今夜はもう寝よう」
朋也は気にしないように促した。
「ええ。お休みなさい……」
焚き火の残量を確認し、鉱石を付け足す。朝までは何とかもつだろう。エメラルド号を風除けにし、頭を向け合い横になると、2人は眠りに就いた。