「え? い、いや俺たちは別に、何でもないよ……」
あわてて弁解する朋也。それを聞いて、フィルはしょんぼりしながら顔を背けると、かすかにため息を吐いた。
しまった……ミオたちに問い詰められて、つい否定してしまった。正直恋人だなんて堂々と宣言する勇気はなかったけど……。もしかして彼女、傷ついたかな?
「ふ~ん……。ま、それニャら別にいいけどね……」
(まあ、この2人の仲が恋人にまで進展するには、後100年かかるだろうけどニャ~♪)
ミオはなぜだかホッとした様子で口にする。
「さ、さあ、ともかくクレメインの森も無事に護れたことだし、みんなでいったんシエナに戻って出港の日に備えよう!」
朋也はごまかすように皆に促した。
こうして、モンスターアリの大量発生事件も無事に解決し、朋也たち一行はクレメインの森を後にした──