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フィル: -----
* ベスト・ミドルエンド不可

「え? い、いや……フィルが『人を好きになるのはどんな気持ちか知りたい』っていうから、試しに恋人になる実験をしてみただけだよ……」
 あわてて弁解する朋也。それを聞いて、フィルは彼に背中を向けると黙り込んでしまった。
 しまった……ミオたちに問い詰められて、うっかり責任逃れの発言をしてしまった。正直恋人だなんて堂々と宣言する勇気はなかったけど……。もしかして彼女、傷ついたかな?
「どうでもいいけど、彼女のほうは本気だったみたいよ……」
「もうぉっ! あなたの心ない一言でフィルが傷ついちゃったじゃないのぉー!」
「ひどいよ、朋也!」
「え!?」
 3人に指摘され、恐る恐る振り返ってフィルの顔色を伺おうとする。彼女は神木の幹によりかかって肩を震わせていた……。
「ご、ごめん、フィル……その、つまり……」
「……」
 フィルは返事をしてくれない。もしかして、取り返しのつかないことしちゃったのかな?
 しばらくしてやっと気持ちが落ち着いたらしく、涙を拭って振り返るとペコリと頭を下げる。
「……いい勉強になりました……」
 があぁぁ~ん……。駄目だ、やっぱりもう修復不能だ(T_T)
「さ、さあ、ともかくクレメインの森も無事に護れたことだし、みんなでいったんシエナに戻って出港の日に備えよう!」
 朋也は女性陣の非難の集中砲火を浴びつつ逃げるように皆に促した。
 こうして、モンスターアリの大量発生事件も無事に解決し、朋也たち一行はクレメインの森を後にした──


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