「頼む! 後少しでいいから……」
「もう時間切れだよ! この船を逃したら元も子もないだろ!? 遅刻するミオの奴が悪いんだから!」
「おお~い、ミオーーッ!!!」
朋也は桟橋から街に向かって力いっぱい叫んだ。今にも大急ぎでこちらに駆けてくる彼女の姿が現れるんじゃないかと期待しながら目を凝らすが、その気配はない。
そのとき、ジュディが彼の首根っこをぐいとつかんで引っ張った。クルルとマーヤも手伝い、彼は無理やり船上に引きずり込まれた……。
「ミオ~~~ッ(T_T)2」
汽笛とともに、船は港を離れた。
朋也は次第に遠ざかっていく岸壁を呆然と見つめながらうめいた。
なんてこった……土壇場に来てミオと別れ別れになってしまうなんて──