クルルは胸に手を当ててしばらく考えていたが、やがて朋也の目を見つめ返しながら言った。
「……クルルの作るビスケット、毎日食べてくれる?」
「毎日といわず3食でも食べるよ」
「……クルルはわがままを言う人は嫌いだよ?」
「我慢します……」
朋也の覚悟を見て取ったクルルは、パッと明るい笑顔になって彼のプロポーズを受け入れた。
「……わかった! じゃあ、クルルがお婿さんにもらってあげるよっ! クルルも、朋也のこと、好きだから──♥ でも、千里を助けてからだからね!」
「ああ、もちろん! ありがとう、クルル……」
やった! プロポーズ成功だ!\(^o^)/ 朋也は踊りだしたい気分だった。
2人のやり取りを脇でポカンとしながら見ていたパーティーの仲間たちは、たちまち朋也に非難の集中砲火を浴びせた。
「ちょっとあんたたち、今はノロケてる場合じゃニャイでしょーが!?」
「ホントだよ! ご主人サマが一大事なのに」
「聞いてるこっちが恥ずかしくなるわよぉ~」
「プライベートな問題は、後ほどお2人でゆっくりお話しいただくべきことかと……」
朋也は頭を掻きながら謝った。あんまり幸せな気分だったものだから、みんなの目も気にならなかったけど。
「ごめん、ごめん」
彼は気を引き締めなおすと、あらためて号令をかけた。
「よし、キマイラに会いにいくぞ!!」