チラッと千里のほうを見やる。すまん、千里……ここはやっぱり受ける以外にお前を救う方法がない……。
「……わかった。千里を倒せばいいんだな?」
「お、おい、朋也!?」
ジュディがびっくりして振り返る。彼は不安の色を顔に浮かべている千里の目を見ながら、落ち着かせるように言った。
「大丈夫だ、俺を信じてくれ……」
「ううん……鼻血なんか流してるとこ見るとすっごく不安だけど……。わかったわ。お願いね?」
どうにか決意を固めてくれたようだ。
「ちっ……お前、ちゃんと責任取れよな!?」
本人が言うなら仕方がないと、ジュディも舌打ちしながらも了承してくれた。朋也は彼女に向かってきっぱりとうなずいてみせた。
「わかってるさ。みんなも頼む、力を貸してくれ!」
「しょうがニャイわね……。でも、腹いせにはニャるかニャ~♪」
「いいわよぉ~!」
「サポートはお任せください」
「クルルも2人を応援するよ!」
パーティーは戦闘の態勢に入って身構えた。
「愛なんて束の間しか続かないはかなくもろい感情が、憎しみに勝てるわけないのよ!」
勝ち誇ったようにイヴが叫ぶ。
なんてこった……よりによって、千里と戦う羽目になろうとは。でも、やらなきゃ彼女の命がないっていうんだから仕方がないよな……。
「行くぞ、千里……少しの間、辛抱してくれよな!」
お前のこと好きだから! とか言えたらかっこよく決まったかもしれないが、今の朋也にはそこまでの自信はなかった。