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ジュディ: +

「……彼女の怒りが鎮まるまで、気の済むようにさせるしかないな」
「気の済むようにったってねえ。今のあいつに攻撃されたら、あたいたちじゃひとたまりもニャイわ! あんた、ちゃんと盾にニャッてよね!?」
「ああ。ミオ、お前たちは後ろに下がってろ」
 ユフラファやシエナで、2人で剣を交えてずっと特訓を続けてきただけに、ジュディの太刀筋は大体読める。ウー神に授かったマスチフメイルもあるし。剣を振るうことで怒りを発散するとともに、少しでも彼女の悲しみを和らげることができれば……。
 そんな朋也の考えを見透かして、フィルが警告を発する。
「朋也さん、暴走したアニムスの力を受けて、ジュディさんの身体能力は異常に高まっています。気を抜けば命取りになりますよ?」
「わ、わかった……」
 いつも稽古で彼女を相手にするようにはいかないってことか……。でも、やるしかない。
「すまない、みんな。彼女がへばるまで付き合ってくれ! 手は出さなくていいから、回復とバックアップを頼む!」
 それから、自分もいつでも受身をとれるように剣を構え、ジュディに向き合う。
「ジュディ……お前の怒りと悲しみは、俺が全部引き受けてやるから、かかってこい!!」
 ジュディを取り巻く黄金色のオーラが、天上のコロナの輝きを掻き消さんばかりに燃え盛る。
「ご主人サマを殺した奴は許さない……許さない……許さないっっ!!!」


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