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9 ウサギのクルル




 声を張り上げながら道の向こうから走ってきたのは、酒場でウェイトレスをしていたウサギ族の女の子、クルルだった。
「よかったぁ、街を出る前に捕まえられて」
 朋也たちの前まで来て立ち止まると、軽く息を弾ませながら手を膝につく。
「どうしたの?」
「ハイ、忘れ物だよ♪」
 そう言って彼女が朋也の目の前に差し出したのは、ジェルのスプレー缶やウィッグの切れ端など、朋也の変装に使った用具一式だった──


*選択肢    ありがとう    要らないのに・・


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