声を張り上げながら道の向こうから走ってきたのは、酒場でウェイトレスをしていたウサギ族の女の子、クルルだった。 「よかったぁ、街を出る前に捕まえられて」 朋也たちの前まで来て立ち止まると、軽く息を弾ませながら手を膝につく。 「どうしたの?」 「ハイ、忘れ物だよ♪」 そう言って彼女が朋也の目の前に差し出したのは、ジェルのスプレー缶やウィッグの切れ端など、朋也の変装に使った用具一式だった──
*選択肢 ありがとう 要らないのに・・