反対する理由はいくつも挙げられた。明日は朝からオルドロイに出発しなきゃならないのに、今夜危険を冒すのはどんなものか? ビスタに立ち寄ってアイテムに替えることも、鍛冶屋のプラクティスに使うこともできない。オパールは一応クルルたちウサギ族の守護鉱石だが、魔法としてはスキルが最大レベルに達しないと使えない。みなに内緒というのも気が進まない。
「ううん……今晩はもうやめた方がいいんじゃないかなあ?」
途端にミオの目つきが険しくなる。
「行けるうちに行っとかニャイと、いつ他の連中に出し抜かれるかもしれニャイでしょ!?」
……。鉱石を先取りされることより、明日のトラとの対戦や千里のことを心配して欲しいんだがなあ。
「いいわよ、あんたには頼まニャイから!」
「おいおい、まさか1人で行くつもりじゃないだろうな?」
「あたいが何しようとあたいの勝手でしょ!?」
ユフラファまでの帰路、ミオは一言も口をきかなかった。もっとも、往路と違い、彼女が何を考えてるかは言わずもがなだった。耳を平べったくさせ、尻尾は時折ピンピン跳びはねてる。不機嫌な証拠だ。
夕食後、ミオの姿はいつのまにか消えていた。朋也は注意していたつもりだったのだが。
翌朝の彼女はケロリとしていた。お目当てのものが手に入ったからだろうな……。尋ねてもしらばっくれてばかりで、見せてもくれなかったけど──