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ミオ: -----
* ミオエンディングフラグ(-)

 しばらく考えてから、朋也は両手を挙げて降参した。
「……やっぱり無理っぽい(--;;」
 たとえいま、自分がミオに好意を抱いていたとしても、彼女自身がとても高いと言ってのけるハードルを乗り越えられる自信はなかった。彼女と恋人として付き合うってことは、向こうの世界での2人の親密な関係をそのまま置き換えられるものじゃない。その意味では、彼女への憧れは一種の幻想だったのかもしれない。第一、カイトに勝てるわけがないし……。
 それを聞いて、ミオはなんだかつまらなそうに口を尖らせた。
「そうぉ? ま、その方が火傷しニャくて済むとあたいも思うけどね……」
 がっかりした顔を見ると、彼女は単に自分のために朋也が奮闘するところをながめて面白がりたいだけだったのかも。
 ミオは立ち上がって背伸びすると、興が冷めたように軽く手を振った。
「それじゃ、bye♥」
 身を翻して神殿の屋根の上に飛び降りる。朋也がミオのいた見張り台の縁に駆け寄ったときには、もう彼女の姿は見えなくなっていた。
「あ~あ、行っちゃったよ..」
 1人塔の上に取り残されてため息を吐く。結局またからかわれただけか……。
 それにしても、カイトもそうだったが、とんでもない運動神経だ。前駆形態のときとの身長差を考えれば、この程度の高さはわけもないのかもしれないが。朋也にはとてもここから下まで一息に飛び降りる勇気は出なかった。
 ミオの去っていった方角を眺めながら、朋也はふと思い出した。
「そういや、あの時もそうだったっけ……俺が軒下にぶら下がってSOSを発してんのに、あいつは知らん顔してどっか遊びに行っちゃったんだ。アハハ!」



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