朋也がまだしがみついていたため、クルルはちょっと戸惑ったように訴えた。
「……。ねえ、朋也、苦しいよ」
「クルルって、案外胸が──」
大きいんだな、と口にしかけた途端──
バッチィィーーーンッ!!! 平手打ちの音が、オルドロイの山中に高らかに響き渡った……。
「朋也がそんなにスケベな人だとは思わなかったよっ! ゲドのおじさんのほうがよっぽどマシじゃん。キライッ!!」
彼に向かってあかんべえをすると、パタパタと昇降機のほうへ駆けていく。
失敗。ゲド以下の変態扱いされてしまった……。でも、まあいっか。これでもう妙な気を起こそうなんて考えないだろうし。
問題は、頬にくっきり残った手形が明日の朝までに消えてくれるかどうかだが……ミオや千里に何言われるかわからないぞ、こりゃ──