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ミオ: ++
千里: ---
ジュディ: --
マーヤ: -
クルル: -

 まったく千里も大人気ないんだから。なんであんなにミオを目の仇にするんだか……。ともかく、朋也は彼女を諌めることにした。
「おい、千里! いい加減にしろよ! そんなつまらないことで──」
 彼女に向かって叫びながら1歩前に踏み出したときだった。
「サファイア!!」
 千里のやつ、本当に撃ちやがった! しかも、ミオの弱点属性を狙うとは。でも、いま一瞬こっちをジロッとにらんだような──
「うぎゃ~~~~っ!!」
 冷気の魔法が朋也に襲いかかる。顔や手がいっぺんにしもやけ状態になってしまった。目は覚めた気がするけど。
「あら、手元が狂っちゃったわ? オホホホ、ごめんあそばせ♪」
 口元に手を当てて悪びれた風もなく笑って誤魔化そうとする。今のはわざと狙ったんじゃないのか?
「まあダーリン、あたいをかばって性悪女の魔の手にかかったのね? 成仏してニャ~」
 わざとらしく嘆くふりをする。拝んでないで手当てしてよ……。
「誰が性悪女ですってぇ!?」
「1人しかいニャイでしょーが! そんニャこともわかんニャイの!? 性悪ニャ上に頭悪ねぇ♪」
「ムググ……言わせておけばぁ!」
 また始まった……。千里の両手に魔力が集中し始める。まさかジェネシスを発動するつもりじゃないだろうな? 神殿が吹っ飛ぶぞ!?
 朋也はサファイアのダメージを何とか自力で克服して立ち上がると、再度千里を諌めにかかった。
「千里っ! いい加減にしないか! ジュディをほったらかしにして、お前らしくないぞ!?」
「むー……」
 とりあえず矛を収めたものの、恨みがましい目で朋也をにらみつける。
「そんなに耳とヒゲと尻尾が好きなの? あんたがそこまでネコ耳マニアの変態だとは思わなかったわ!」
「おいおい、話を逸らすなよ。なあ、千里……冗談抜きに、お前を助けることができたのは、半分以上ミオのおかげだと言っても過言じゃないんだぜ? いろいろ情報を提供してくれたり、首尾を整えてくれたり……。彼女がいてくれなかったら、月蝕までに神殿にたどり着くことなんてとても出来なかったんだから。少しはお前が譲ってくれてもいいだろ? 頼むから仲良くしてくれよ。当分はお互い協力し合わなくちゃいけないんだし……」
 そこまで言って、さっきから朋也の背中に回ってあかんべえをしていたミオを振り向く。
「ミオ、お前もわざわざ彼女を挑発するような真似はやめてくれ……」
「……わかったわよぉ」
 千里はようやく渋々首を縦に振った。ちょっぴりイジケモードに入ってたが。
「ごめんね、ミオちゃん。ハイ、これで仲直り♪」
 ミオに歩み寄ると右手を差し出す。
 ミオは左手を差し出した……。
「朋也っ!! これはやっぱりあんたの躾がなってないのよっ!!」
 朋也は頭を抱えた。こんな調子じゃ先が思いやられるな──



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