「ありがとう、クルル……。実はクルルのビスケットとももうおさらばかと思うと、ちょっと名残惜しいものがあったんだ。またいつでも食べられるなんてうれしいよ♪」
お世辞もかなり含まれていたが、半分……いや、4分の1は嘘ではなかった。実際、日持ちと携帯性、栄養価を考えると、彼女の得意品目に対する総合評価は決して捨てたもんじゃない。味はともかく……。
「ホントォ!? そんなに喜んでもらえるなんて、クルル、大感激だよ!」
跳びはねて喜んでいる。大げさだなあ。
「ふぇ~!? またあのビスケット毎日食べさせられるのぉ? もう勘弁してよ~」
ミオのほうはもううんざりといった顔だ。まあ、そう言うなよ。いきなり2人もパーティメンバーが減っちゃった分、彼女は貴重な戦力なんだから……。
こうして、朋也たちの前に新たな試練が立ちふさがることになった。今度の相手は自分たちをはるかに凌駕する魔力の持ち主、カイトとリルケだ。しかも、バックで糸を引いているのは、この世界を管理するエメラルドの守護神獣キマイラ……。
でも、たとえ相手が神獣だろうと、必ずジュディを助け出さなくちゃ!