困った朋也は、なるべくやんわりと意思を伝えようと試みた。
「クルルに手伝ってもらえるのはとってもありがたいんだけど……たまには、そのぉ……違うものも食べたい、かなぁ? なんて」
たちまち彼女の円らな瞳が潤み始める。
「クルルのビスケット、そんなにおいしくない? グッスン」
「あ、いや、そうじゃなくてね……」
「単刀直入に『マズイ』って言ってやった方が本人のためだと思うけどニャ~」
ミオが聞こえよがしに口にする。あんまり落ち込ませるようなこと言うなよ。ただでさえ、いきなり2人もパーティメンバーが減っちゃったんだし……。
こうして、朋也たちの前に新たな試練が立ちふさがることになった。今度の相手は自分たちをはるかに凌駕する魔力の持ち主、カイトとリルケだ。しかも、バックで糸を引いているのは、この世界を管理するエメラルドの守護神獣キマイラ……。
でも、たとえ相手が神獣だろうと、必ずジュディを助け出さなくちゃ!