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クルル: ----
* パートナー除外

 なるほど、クルルが村のみんなのために一生懸命頑張りたいという気持ちはよくわかる。ウサギ族が絶滅するかもってのはちょっと大袈裟な気がするが……。だけど、朋也としては、優先順位を千里の命より上にもってくるわけにはいかなかった。村1つ救うことを目標に掲げるなら、9日ばかりの間にたいしたことができるとは思えなかったし、それだったら千里の救出に有益な行動に時間を割きたい。
「ごめんな? ユフラファが大変なのはわかってる。でも、今は……」
 クルルはしょんぼりした顔をしたが、たぶん断られるだろうことはあらかじめわかっていたんだろう。笑顔に戻って言った。
「そうだよね……。こっちこそごめんね、無理なお願いしちゃって。気にしないでね?」
「今度の件が全部片付いたら、その時はちゃんと手伝ってやるから」
「うん、わかった。じゃ、おやすみ!」
 手を振ると、部屋を出て行く。ホントに素直でいい子だな。考えてみれば、身内のことより他人である朋也たちの手伝いを優先してくれてるんだもんな。朋也は彼女に申し訳なく思った。すべてが終わったら、いま自分で宣言したとおり、彼女の力になってやろう──


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