何だ、そういうことか……まさかフィルが夜這いに来るわきゃないもんな。ちょっぴりドキドキして損した。 「そうか……。ま、こっちのことなら気にしなくていいよ。どういう事情か知らないけど、気をつけてな?」 「本当にごめんなさい。出港までにはできる限り戻ってきますので……」 そう言って深々とお辞儀すると、フィルは静かに部屋を退出した。 なにやら深刻そうだったな? でもまあ、フィルのことだから大丈夫だろ。 朋也は再び布団を被りなおした。