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　クルルが呼びに来たので部屋に戻り、一浴びしてさっぱりしてから、みんな一緒に１階に下り、遅めの昼食をとろうとレストランに入る。
　テーブルにつくと、ネコ族のウェイトレスがメニューを持ってやってきた。ミオに負けずスレンダーなシャムネコの女の子だ。
「あら、なかなか素敵なお兄さんじゃない♪　うちの料理もイケるけど、お兄さんの匂いもグッときちゃう♥」
　照れながら頭を掻いてると、ミオにテーブルの下で足を蹴っ飛ばされる……。
「うちに来たらいつでも〝お魚ちゃん〟を指名してチョーダイネ♥」
　そう言うと、お魚ちゃんは朋也の気をひくように尻尾をくねらせながらテーブルを離れていった。またミオに小突かれるといけないので、無理やりメニューに視線を戻す……。中には豪勢なシーフード料理が並び、唾液腺を刺激する。といっても、実際は全部海草とプランクトンがベースなんだけど。朋也はアサリモドキのスパゲッティを注文することにした。
　ほどなくテーブルに料理が運ばれてくる。う～ん、いい匂い♪　みな美味しそうにそれぞれの料理を口に運ぶ。ふと見ると、ジュディだけ皿の上が減っていない。
「どうしたんだ、ジュディ？　食欲がないのか？」
　朋也が心配して声をかけると、ジュディは悲しそうに視線を落とした。
「……ご主人サマ、今頃お腹空かせてないかなあ？」
「あら、要らニャイの？　だったらあたいがいただいちゃおっと♪」
　ミオがフォークを伸ばす。
「こら、ミオ！」
　彼女をたしなめてから、なだめるように言う。
「連中だって彼女の力が必要なんだから、そんなことしたりしないさ」
「そうそう。きっと特別待遇でうまいものたらふく食ってるわよ。案外ブクブクに太らされてたりしてニャ♪」
　また余計なことを……。
「ともかく、お前がしっかり食べて活躍してくれなきゃ、うまくいくもんもいかなくなるんだから。千里には、連れ戻してからたっぷりご馳走してやろうや。な？」
「うん……」
　ジュディは思い直して料理に手をつけ始めた。早く全員の顔が揃って、こうして一緒に食事できる日が来るといいな──