戻る



ミオ: +

「もう少しだけ待ってもらってくれないか?」
 朋也はクルルに伝令を頼むと、その間に桟橋の入口まで駆けていき、左右を見回した。だが、彼女の姿は見えない。
 一体ミオのやつはどうしちまったんだろう? 彼女に限って時間を間違えるはずもないし……。
 いったん船のところまで戻って桟橋の上にしゃがみ込む。すぐに立ち上がると、ウロウロと行ったり来たりを繰り返す。
「あのバカネコ、今頃になって臆病風に吹かれたんじゃないだろうな!?」
 さっきからデッキの底を鞘でコンコンつつきながら、ジュディが苦々しげに口にする。
 朋也は黙っていたが、ミオが逃げたとはとても思えなかった。あいつは怖気づくようなやつじゃない。怖れる理由があるとすれば──カイトと傷つけ合いたくないということくらいか……。
 クルルが乗船口に戻ってきた。
「船長さん、もう待てないって(T_T)」


*選択肢    後少しだけ    あきらめる

ページのトップへ戻る