「おおーい、千里!! 迎えに来たぞ!」
朋也は塔の外から声を張り上げた。
ほどなく、ガチャリと大きな扉が開き、千里が表に出てきた。朋也たちを見てパッと笑みが顔中に広がる。
「朋也、迎えに来てくれたんだ」
どうやら顔色も悪くなさそうだ。激しい特訓のせいでげっそりやつれてるんじゃないかと半分心配していただけに、朋也はホッと胸をなで下ろした。
「元気そうだな、千里。どうだい、仕上がりの方は?」
「ええ、おかげさまで上々よ♪ 魔法を行使してすぐに消耗することもなくなったし、コントロールも安定したし……さすが、イヴは稀代の魔術師なだけあるわ」
少し間を置いて上目遣いにこっちを見ながら尋ねる。
「……ねえ、私のいない間、寂しかった?」