チラッと千里のほうを見やる。すまん、千里……ここはやっぱり受ける以外にお前を救う方法がない……。
「……わかった。千里を倒せばいいんだな?」
「お、おい、朋也!?」
ジュディがびっくりして振り返る。彼は不安の色を顔に浮かべている千里の目を見ながら、落ち着かせるように言った。
「大丈夫だ、俺を信じてくれ……」
「……わかったわ。お願いね?」
他に選択肢がない以上、ここは朋也を信じるしかないと、彼女もどうにか決意を固めてくれたようだ。
「ちっ……お前、ちゃんと責任取れよな!?」
本人が言うなら仕方がないと、ジュディも舌打ちしながらも了承してくれた。朋也は彼女に向かってきっぱりとうなずいてみせた。
「わかってるさ。みんなも頼む、力を貸してくれ!」
「しょうがニャイわね……。でも、腹いせにはニャるかニャ~♪」
「いいわよぉ~!」
「サポートはお任せください」
「クルルも2人を応援するよ!」
パーティーは戦闘の態勢に入って身構えた。
「……愛なんて、束の間しか続かないはかなくもろい感情が、憎しみに勝てるわけがない!!」
歯ぎしりしながらイヴが叫ぶ。
なんてこった……よりによって、千里と戦う羽目になろうとは。そもそも、自分の好きな女の子に銃を向けるなんて真似ができるだろうか? それも、憎しみや殺意ではなく、憎しみを超える愛をもって戦えだなんて……。こんな形の愛の試練なんて願い下げだ! でも、やらなきゃ彼女の命がないっていうなら仕方がない……。
「行くぞ、千里……少しの間、辛抱してくれよな……。俺も、千里のこと、好きだからっ!!!」