「少々手荒だが、頭を冷やしてやるしかないだろうな……」
朋也の台詞を聞き、ミオはびっくりして振り向いた。
「本気ニャの!? アレでも一応女の子ニャンだから、顔に傷つけたりしニャイでよ!?」
さっきまでジュディににらまれてビビッてたくせに。いつもジュディのことをバカイヌと呼んでコケにしてるけど、たまには真剣に心配するんだな……。
もちろん、朋也としても本気で相手にする気などなかった。ジュディの悲しみを紛らわすには、誰かと剣を交えるのが一番手っ取り早いだろうと考えたまでだ。
そんな朋也の考えを見透かして、フィルが警告を発する。
「朋也さん、暴走したアニムスの力を受けて、ジュディさんの身体能力は異常に高まっています。気を抜けば命取りになりますよ?」
「わ、わかった……」
いつも稽古をつけているようにはいかないってことか……。
「すまない、みんな。彼女がへばるまで付き合ってやってくれ!」
それから、自分もいつでも受身をとれるように剣を構え、ジュディに向き合う。
「ジュディ。お前が俺とやる気なら、いくらでも相手してやる! かかってこい!!」
ジュディを取り巻く黄金色のオーラが、天上のコロナの輝きを掻き消さんばかりに燃え盛る。
「ご主人サマを殺した奴は許さない……許さない……許さないっっ!!!」