ミオにそう指摘され、朋也は思い直すことにした。
「わ、わかった。他に方法がないなら仕方ないな……」
そそくさとドーベルソードとバーナードの盾をもう一度拾い直す。
「カッコワル」
それを見ていたミオが小声でボソッと口にする。だってしょうがないじゃん……。
「よし、ジュディをアニムスから引き離して、その間に暴走を止められるかどうかやってみよう!」
仲間たちがそれぞれ得意のステータス攻撃を仕掛け、ジュディの動きを止める。そこで朋也が飛び出して、彼女を背後から羽交い絞めにした。ミオがその間に2つのアニムスを奪取する、という段取りだったが──
「離せ、この野郎!!」
朋也に抑えられたジュディは、必死に身を振りほどこうと暴れまくった。さっきは立ち上がるのがやっとだったのに、なんてバカ力だ……。
そのとき、彼女の全身がほのかな光を帯び始めた。緑と赤の螺旋模様が彼女の周りをグルグルと回転しながら、次第に光を強めていく。そして、アニムスがまたもや点滅をしだした。
せっかく元に戻ったのに、ここでまたワーウルフに変身されでもされたらたまったもんじゃない。おかしいな、まだ彼女の体力が尽きたわけでもないのに。一体アニムスは、どうしてこんな自分たちをあざ笑うような真似をわざわざしようとするんだ!?
ところが……先ほどとはエネルギーの流れの向きが逆だった。光はジュディの身体から迸り出て、2つのアニムスに向かって流れ込んでいく。アニムスは、ジュディの身体から流れてきた光を中継でもするかのように、さらにそこから千里の身体に向かってエネルギーを注ぎ込んだ。
みなが息を詰めて見守る中で、信じられない出来事が起こった──