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ミオ: +
ジュディ: -
マーヤ: -
クルル: --

「ううん……ニンゲンの口にはちょっと合わないかな?」
 クルルには申し訳ないと思ったが、朋也は正直に感想を述べた。こういうことは早いうちにちゃんと言っておかないと、後で泣きを見ることになるんだよな。
「そっか。クルル、自信喪失……」
 朋也の感想を聞いた途端、クルルはがっくり落ち込んでしまった。
「あ、でもほら! イヌの口にはぴったりみたいだよ なあ、ジュディ?」
 何とかフォローしようとジュディに振る。彼女の幸せそうな食べっぷりをながめればクルルも満足してくれるだろう……。
「うん、ほんとイケルよ、これ♪ まったく、朋也もミオと同じで偏食なんだから!」
 そう言いながら、ジュディ本人はどんどん平らげていく。彼女はいわゆるイヌ食いでほとんど味わってないから平気なんじゃないかと朋也は思った。
 (ミャウと朋也を除く)一同が和やかに食事を済ませた後、相変わらず幸せそうな笑みを満面に浮かべながらクルルが言った。
「……クルルね、こうしていろんな種族の人と、ご飯を食べたり、お話したりするのがずっと夢だったんだ。だから、今日はすごぉくハッピーな気分だよ♪」
「ふうん。でも、エデンでなら種族同士の交流はそれほど難しいことじゃないんじゃないか?」
「ううん……ユフラファはほとんどウサギ族ばかりの村だったから、ときどき行商人や旅人が来たときくらいしか違う種族の人と会う機会ってなかったんだよね。それに、クルルが生まれるだいぶ前から、どの種族でも違いを意識する人のほうが多くなってきてたから……」
 彼女は少し沈んだ顔になって答えた。
「そうねぇ。やっぱり170年前から、スピシージズムっていうのかしらぁ、どの種族でも同族だけの閉じた関係を好む傾向が強くなっていったわねぇ~」
 歴史の講義というより思い出話のような言い草でマーヤが付け加える。
「少し前、イヌ族の人たちが村にいっぱいやってきたときは、クルルちょっぴり期待したんだ。でも、仲良くするより、お互いの距離のほうが返って目立っちゃったみたい……。1人、ネコ族のおじさんでみんなの間を取り持とうとしてた人がいたけど」
「それ、トラって人かい?」
「うん、その人だよ」
 やっぱりな。朋也は希望の光が少し見えてきたような気がした。
「だからね、あの人たちが朋也のお友達をさらったって聞いたとき、許せなかったんだ! クルル、向こうに着いたらトラのおじさんに掛け合うよ!」
「ありがとう、クルル」
 こっちから持ちかける前にクルルの方から申し出てもらっちゃったな……。
「……昔のエデンはこんなじゃなかったんだよね。種族の違いなんて誰も気にしないで、みんな仲が良かったって。ウサギ族も、イヌ族も、ネコ族も、それにヒト族も……。クルルは、ウサギもイヌもネコもニンゲンも、みんな昔みたいな仲良しに戻って欲しいと思うよ! 難しいかもしれないけど、あきらめちゃいけない、始めから決めつけちゃいけないって、思うんだよ! みんなが幸せになれる方法がきっとあるって……。クルル、間違ってるかな?」


*選択肢    間違ってない    世の中そんなに甘かない

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