「ま、いろいろ初耳のことを聞かされたけど、別に気にしてないよ。ミオはミオだもんな」
気にしてないと言い切ってしまうと嘘になるが、ミオの笑顔を見ているうちに、カイトに吹き込まれたことなんてだんだんどうでもいいことのように朋也は思えてきたのだった。
「わかってるじゃニャイ?」
ミオは満足そうにうなずいた。
「それはそうと、失くし物はちゃんと見つかったのか? 結局何を忘れてきたんだ?」
「えっと、その~……」
うろたえるミオに代わり、マーヤが代返する。
「首輪よぉー。ちっちゃな鈴の模型がついてて、とぉってもプリチィ~なのぉー♪」
「あ~っ、言っちゃ駄目だってば~!」
マーヤに抗議してから、偽名を使っていたのがバレたときのように、ミオは上目遣いに恐る恐る朋也を見た。
「ごめん……悪気はニャかったんだよ。寝る時に枕元に置いてたんだけど、朝急いでたもんだから、つい……。怒ってる?」