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ミオ: -
千里: -----
マーヤ: +++
クルル: +
フィル: +

 これまでも、謎の怪物に襲われたり、朋也たちのエデンへの来訪が知れ渡っていることが発覚した際に、マーヤはパーティの仲間に自分の知っているはずの秘密を隠し続けてきた。朋也にもそれはわかっていた。だが……彼女の目にたまった涙が、演技でも何でもない本物であることもよくわかってる。
「千里。たとえカイトが神獣の指示で動いてるとしても、マーヤがそれを知らされていたとは限らないだろ? 俺たちが千里を捜すのをマーヤはずっと一緒に手伝ってくれてたんだぜ? ジュディとだってとてもウマが合ってたし……。その彼女が、いくらなんでも彼女の命を危険にさらすことに加担するなんて考えられないよ」
 それを聞いて、千里は一瞬驚いたように朋也の顔を見ると、半分涙目になってきっとにらみつけた。
「……朋也が私よりその妖精の言うことの方を信用するっていうのなら、もうあんたには頼まないわ! あんたなんか大ッ嫌いよっ!! たとえ私1人になっても、ジュディは必ず救い出してみせるんだから!!」
 投げつけるようにそう言うと、ダッと駆け出す。
「あ、おい待てよ! 千里ったら!!」
 朋也はあわてて彼女の後を追いかけようとした。千里は一度振り返ると、彼に向かって手を振りかざし一言唱えた。
「ルビーッ!!」
 足元が燃え上がる。
「あちゃちゃちゃっ!!」
 そりゃ反則だろ……。朋也が飛んだり跳ねたりしてる間に、千里の姿は崖の向こうに曲がって見えなくなった。
「千里ぉ……」
 マーヤが彼女の後ろ姿の消えたほうを見やりながら、心配そうにつぶやく。
「はぁ、しょうがないやつだなあ、ったく。いくら魔法を使いこなせるようになったからって、あいつ1人でジュディを助け出すなんて絶対無理に決まってるのに。ともかく、あいつが無茶する前に追い着くか、ジュディを取り戻すかしないと……。第一、カイトが狙ってたのは千里の方なんだから、急がないとヤバイよな!?」
「性悪女のことニャンか別にほっときゃいいじゃん♪」
「こら、ミオ!」
 一声たしなめると、後ろ手を組んで口笛を吹き始める……。
 朋也はため息を吐くと、改めてマーヤに向き直った。
「なあ、マーヤ。レゴラスってどこにあるんだ?」
「レゴラスの神殿は大陸の東の海に浮かぶ絶海の孤島にあるのぉー。そこが神獣キマイラ様の御座所……。でも、ここから行くとなると結構かかるわねぇ~。まずエルロンの森を抜けてぇ、その南にあるシエナの街に行かなきゃぁー。そこから後は真っすぐ東を目指せば港町ポートグレーに達するわぁー。レゴラス行の船もそこから出てるのぉー」
 そこで、しばらく考え込んでいたクルルが口を開いた。
「ねえ、朋也。こういう非常事態だし、クルル、ユフラファに戻るのは後回しにするよ」
「えっ!? でも、村の人たちに悪くないかな?」
 新たに設定された期限は2週間。場所も大陸の反対側の海の上と来ている以上、ユフラファまで引き返さずに一刻も早くレゴラスに向けて出発できれば、それに越したことはないが……。
 戸惑っている朋也に、クルルはポンと胸をたたいて見せた。
「大丈夫! みんなだってクルルに負けないくらいたくましいんだから! それに、今は少しでも朋也たちの役に立ちたいんだ……。だから、ね? 第一、クルルがいないとみんな食べるものに困っちゃうでしょ、クフフ♪ ビスケットのことならクルルに任せといてね♥」


*選択肢    うれしいよ    もう飽き飽き

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