「何を?」
キョトンとして訊く朋也に、ミオはうんざりしたように言った。
「あんた、貧血から預かってたものがあったでしょ?」
ちなみに、〝貧血〟というのはミオがフィルに付けた仇名である。〝バカイヌ〟、〝性悪女〟に比べると使用頻度は低いが……。
「千里、覚えてた?」
「当然」
彼女は即座にうなずいた。
ポケットをまさぐり、神樹のフルートを取り出す。そうだ、森のある場所で吹けば、そこの樹の精を喚び出せるアイテムだったんだよな。
朋也はフルートを目の前に持っていったところで、はたと考え込んだ。これを使ってエルロンの森の精を呼べば、妖精の隠れ里を目指すことは断念せざるを得ないが……。
さて、どうしよう?
(注):マーヤがパーティーにいる場合は選択肢は出ない。