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フィル: +

 ……マーヤはたぶん元気にしていることだろう。それに、ブブの話を聞いて、ひょっとしたら彼女は隠れ里に向かったんじゃないかという漠然とした予感は抱いたものの、やっぱりビスタのセンターに戻っているような気もしてきた。今頃スパイじみた特務から解放され、本来の業務に戻れてホッとしてるんじゃないだろうか? 前駆形態の動物たちと戯れているほうが彼女にはお似合いだ。それに、キマイラと敵対する立場になったのだから、これ以上自分たちに関わり続けても、彼女にとっては辛い思いをするだけだろう。
 朋也は妖精の隠れ里を捜すことをあきらめ、早々にシエナに向かうことに決めた。
 フルートに口を当てようとしたとき、さっきから朋也を──というより彼の手の中にあるものを興味津々の目で凝視しているクルルに気づく。
「ねえ、それなぁに?」(注)
「ああ、これは神樹のフルートって言ってね。神木についたモンスターアリを退治したときに、クレメインの樹の精からもらったんだよ。木々の生えているところで吹くと、そこに住む森の樹の精を呼ぶことができるんだ」
「面白そうだねっ! クルルに吹かせて吹かせて!」


*選択肢    いいよ    やだ

(注):第12話でフィルに会っていない場合の台詞。


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