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「朋也、ちょっといいかな?」
 ドアをノックしてクルルが朋也の部屋に入ってきた。
「どうしたんだ、クルル? 夜更かしは美容の毒だぞ?」
 ベッドの上で上半身を起こし彼女を見る。寝惚けてた所為でついオヤジじみた説教をしてしまった……。
「あのね、いまこんなお願い朋也にできる時じゃないのはわかってるんだけど……」
 クルルは上目遣いに彼を見て、モジモジしながら切り出した。
「クルル、さっきエシャロットのお姉さんとこに寄ってきたんだ。インレの村のこと、詳しく聞こうと思って」
 エシャロット? ああ、昼間喫茶店で出会った美人のウェイトレスさんか。声かけてくれれば一緒に遊びにいったのに……。ちなみにインレというのは、彼女に教えてもらった、ユフラファのずっと北方にあるというウサギ族の村の名前だ。
「お姉さんも詳しいことは知らないみたいだったけど、大雪とモンスターのせいで途中の道を塞がれて、もう10年以上も交流が途絶えてるみたいなんだって。で、ユフラファはいま、男の人がいなくなっちゃったでしょ? このままじゃ、村もいろいろと困ると思うんだ。ほっといたら、誰もお婿さんがいなくて、子供も生まれなくなって、村もウサギ族も滅びちゃうかも……。でも、もしインレに若い男の人たちがいて、ユフラファに連れてくることができたら……。だから、クルル、自分の目で確かめたい! できるかどうかやってみたい! でも、クルル1人じゃちょっとキビシイから、朋也にも一緒に来てもらえないかなあって……。もちろん、船が出るまでにはちゃんと戻ってくるようにするよ! 駄目かな?」
 真剣な眼差しで朋也に訴えかける。


*選択肢    いいよ    ごめんな

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