狛井翔太は一四歳、何をやってもうまくいかないダメ少年。憧れの沙織さんと一緒にクラスの文化祭実行委員に選ばれたはいいけど、彼女の前で熊沢たちいじめっ子三人組にズボンを脱がされかけ醜態をさらす羽目に。人生を悲嘆した翔太は、ついに自殺を決意する。
雑木林の中で首を吊ろうとしていた翔太の前に、飼い犬のジョニーが現れた。
「もったいないなあ。だったら、体をとっかえっこしようよ」
そう持ちかけられ、翔太はつい首を縦に振る。目が覚めると、そこは犬小屋だった……。
予想もつかない展開に目を白黒させる翔太。一方、その彼に成りすましたジョニーは、学校を休んだ翔太の見舞にやってきた沙織さんとしっかり懇ろに。
こんなはずじゃなかった! いたたまれなくなった翔太は家を飛び出した。途中、野良猫にからまれていたフェレットのフラウを助ける。フラウと知り合った翔太は、彼女からとっておきの情報を聞き出した。元の人間に戻る方法──そのためには、三匹の犬の願いを叶えればいいのだと。
まず一匹目は、散歩中の公園で出会ったローデシアン・リッジバックのレオン。人間の不良ばりに街の犬たちを脅して威張り散らすレオンをギュウと言わせたのは、他でもないフラウだった。これが縁で、翔太はレオンの恋の手助けをすることに。
続いて、沙織さんの家のダルメシアン、ミスターと仲良くなった翔太は、彼の悩みを聞かされる。文化祭の出し物のドッグカフェでアジリティを実演してみせることになったものの、本番に弱い彼はすっかり自信をなくしていた。翔太はそんなミスターを励ますべく、自分も出演することを決意する。そこへ熊沢たちが担ぎだしたボーダー・コリー、ファルシオンとの対決話まで飛びだして──。
はたして当日の結果は? そして、翔太は元の自分の体に戻ることができるのか!?